米国は DeepSeek を賞賛した次の日に「窃盗」と呼んだ

世間を騒がせたDeepSeek
目次

世間を騒がせたDeepSeek

みなさんはDeepSeekのニュースを見ましたか?かなり世間を騒がせていた様子です。特に株式市場。筆者は株をやりませんが、DeepSeekが原因で動いた市場のニュースはいくつか目にしました。

具体的に何が起こっていたかというと、簡単に言うと、まずDeepSeekがChat GPTを超えるといわれる新モデルを発表したと報じられました。どう超えるかというと、DeepSeekのモデルでは、AIのための訓練を用いず推論を用いるため訓練コストを削減したこと、また半導体のメモリ使用量も減らすということ。これが事実だとすると、エヌビディアの収益構造が影響を受け、米国のAI技術の優位性も揺るがされることになるということで、エヌビディアの株価が急落しました。時価総額は5890億ドル(約91兆円)減と、米企業1銘柄の1日当たりの減少額としては過去最大を記録したそうです(Bloomberg)。この一連の出来事は、米国株式市場全体に影響を与え、DeepSeekショックと呼ばれました。

DeepSeekに関する当初の報道

DeepSeekがどうすごいかという当初の報道を以下に切り抜きました。

中国の生成AI(人工知能)スタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)が米オープンAIの「Chat(チャット)GPT」を超えるといわれる新モデルを発表した。圧倒的な低コストを主張する同モデルの登場でAI業界のゲームのルールは一変した。激化する米中AI戦争はこの先の世界の形すら変えようとしている。

「中国勢はAI時代の主役となった」「シリコンバレーはパニックに陥った」。世界の株式市場を「ディープシークショック」が襲った週明け早々、中国のSNSには快挙を喜ぶハッシュタグが林立した。

ディープシークは「80後(1980年代生まれ)」の起業家、梁文鋒氏が2023年に杭州市で設立した。昨年末に7番目のモデル「V3」で注目を集めた後、トランプ大統領の就任日である20日に革新モデル「R1」を発表した。

世界を驚かせたのが、同社が示した「ChatGPT-o1」との性能比較表だ。主要性能で肩を並べながら、文字などのデータ出力にかかるコストはわずか4%だった。

(中略)AIに人間のような推論・分析能力を持たせ、知らない問題でも思考の末に答えを導き出す「自己進化」を可能とした。これによりトレーニング過程の費用を大幅に削減した。

(中略)国産半導体も試用段階にあり、中国企業は効率のよいモデルの開発にしのぎを削っている。「R1」は半導体のメモリ使用量を大幅に減らすシンプルな機構設計にも特徴がある。

引用元:日経新聞 2025年1月28日

DeepSeek開発費の事実

上記の報道を見て、すごいと思うと同時に本当かな?とも思ったも事実です。案の定、翌日になるとまた別の情報が報道されました。

まず、開発費用が低いということに関してはからくりがあったようです。

会社側はディープシーク-V3開発にかけた費用が557万6000ドルに過ぎないと明らかにしたが、これはメタが最新AIモデルのラマ(Llama)3モデルをNVIDIAの高価チップ「H100」で訓練した費用と比べて10分の1の水準だ。 ただし、ディープシークが明らかにした金額はNVIDIAの安いチップの「H800 GPU」を1時間当り2ドルで2カ月間借りた費用を計算したもので、人件費や運営費などは含まれていない金額だ。

引用元:Yahoo! JAPAN

DeepSeek開発方法の事実

さらに、AIの開発方法もどうやら怪しいということです。

マイクロソフトとオープンAIは、中国の人工知能(AI)新興企業DeepSeek(ディープシーク)と関連のあるグループが、オープンAIの技術から出力されたデータを不正な方法で入手したかどうかを調査している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

関係者によると、マイクロソフトのセキュリティー研究者は昨年秋に、ディープシークと関連があるとみられる複数の人物がオープンAIのアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使用して大量のデータを流出させているのを確認した。機密事項だとして関係者は匿名を条件に話した。

引用元:Bloomberg

DeepSeekはChatGPTをパクった疑いがあるということですね。

モデルの「蒸留」とは?

本記事のタイトル「米国は DeepSeek を賞賛した次の日に「窃盗」と呼んだ」は、「美国前一天刚夸完DeepSeek 后一天就称其是“偷窃”」という玉渊谭天 2025年01月29日 14:50が原典です。

引用元:玉渊谭天

このニュースのなかで、「DeepSeekはChatGPTのモデルを蒸留した」といっています。「蒸留」とは何でしょうか?筆者は初めて聞いたので、ChatGPTに質問してみました。

単なるパクリでもないようです。AIの世界は難しいですが、せっかくなので、技術的なことについてまた別の記事で取り上げたいと思います。知的財産的にも考察すべきポイントが複雑なようです。

最近は「株をやっていなくてよかった」と思う出来事が多すぎる!

株式会社IPアドバイザリーでは、特許調査・分析、特許翻訳、知財コンサルティング(みんなのCIPO)サービスを提供しています。初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。

株式会社IPアドバイザリー
石川県野々市市にて特許関連の各種業務を行なっています。販路開拓や知財コンサル、特許翻訳のことなどどうぞお気軽にお問い合せください。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次