特許出願をしていると就職や採用に有利か?エヌビディアを例に考える

エヌビディアエンジニア年収4000万円(日経ビジネス記事)
最近の新聞記事で興味深いものがあったので紹介いたします。AI関連の人材の就職先としてエヌビディアが大人気ということですが、ただ人材が集中しているだけでなく、特許出願にかかわる優良人材も集中しているということです。この記事によると、エヌビディアでは人材確保にあたり、量だけでなく質も重視しているということ、あるいは、エヌビディアは質の高い人材に人気であるということがわかります。
以下では、新聞記事の内容を紹介しながら特許出願と就職や採用との関係について考察してみました。
世界中の人工知能(AI)開発企業が米エヌビディア製の画像処理半導体(GPU)を入手しようと躍起になる中、テック業界では「もう一つの争奪戦」が繰り広げられている。AI人材の奪い合いだ。
戦いに勝ち抜くため、各社は数年来、給与をはじめとする待遇を引き上げ続けている。米半導体メーカー数社の採用に関わるヘッドハンターは現状をこう説明する。「腕の立つエンジニアを採用するのに、5年前は年収15万ドル(約2250万円)のオファーで十分だった。今は20万〜25万ドル(3000万〜3750万円)もざらにある」
ソフトウエアエンジニアも半導体エンジニアも水準は変わらないという。ざっと日系半導体関連企業の3〜4倍が必要となる計算だ。
この人材獲得競争でエヌビディアは優位に立っている。「2014年の米フェイスブック(現メタ)をほうふつとさせる人気ぶりだ」。米シリコンバレーに本社を置く採用支援会社の幹部はこう語る。
中略
では、エヌビディアに転職しているのはどんな人材なのか。日経ビジネスがビジネスSNSの「リンクトイン」を分析すると、半導体関連などの競合他社から人材が大量になだれ込んでいる様子が明らかになった。
エヌビディアに特許出願件数が多いトップエンジニアが流入
その結果、近年になってエヌビディアがトップエンジニアを急増させていることが明らかになった。15年に334人だった発明者は23〜24年に約3.5倍の1153人に増えた。20年と比較しても300人以上増加している。逆にインテルやクアルコムは発明者の数が15年比で1000人程度減少した。
発明者を名寄せした結果、エヌビディアの発明者は15〜24年で計1876人。そのうち109人が、インテル、クアルコム、AMD、グーグル、アップルの名義で過去に特許を出願していたことも分かった。この間に、エヌビディアに転職した可能性が高い。特許を申請するトップ技術者層が、続々とエヌビディアに集まっている様子が明らかになった格好だ。
特許を出願していると就職や採用にメリットはあるのか?
同記事によると、エヌビディアがエンジニアから圧倒的な支持を集めている理由の一つは待遇にあるとのことです。エヌビディアのソフトウエアエンジニアの年収(中央値)は26万2000ドル(3930万円)であり、グーグルやアップルの中央値を上回り業界トップ水準とのことです。トップエンジニアはこうした待遇に惹かれているということですね。
考えてみたのですが、エヌビディアによるエンジニア確保の際のシチュエーションとしてあり得るのは、エンジニアがエヌビディアの求人に応募する際に特許出願件数をアピールするケース、特許出願件数が多いエンジニアがエヌビディアハンティングされるケースでしょうか。
そういうことであれば、特許出願実績が就職や採用にどのように役に立つのかを考えてみました。
特許出願実績が就職や採用に有利になる場合
- 技術力のアピール
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- 特許出願は、技術的な知識やスキルを持っている証明として評価されます。
- 特許が関連する分野での専門性や創造力を示すことができます。
- イノベーションを重視する企業の場合
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- 技術革新を目指す企業では、特許出願経験が「新しい価値を創造する能力がある」証として高く評価されることがあります。
- 競合優位性につながる
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- 特許を出願するプロセスで得た経験(市場調査、競合分析、知的財産管理、知財戦略立案)は、企業が競争力を維持するために重要なスキルと見なされることがあります。
- 業界や研究機関での信頼性
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- 特許出願が、その分野での研究成果や実績を裏付けるものとして評価される場合があります。
特許出願実績が就職や採用に必ずしも有利ではない場合
- 職種や分野による違い
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- クリエイティブやマーケティングなど、特許が直接的に関連しない職種では、特許の有無は採用に大きな影響を与えない場合があります。
- 出願した特許が採用企業の事業分野と無関係であれば、アピール材料としての効果は限定的です。
- 特許の質の問題
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- 高度でない、事業展開に役に立たない、といった特許は質が低くて保有していても意味がないと思われる可能性があります。
- 特許を詳細に説明できる能力
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- 採用面接では、「どのような問題を解決したのか」「技術的な意義は何か」など、特許の内容について具体的な説明を求められる場合があります。十分に説明できないと評価に繋がらないこともあります。
求人応募の際に活用できるポイント
- 知財戦略立案に関するスキルを強調する
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- 問題解決能力、技術開発力、プロジェクトマネジメント力をアピールしましょう。
- 出願した特許が企業の事業に関連している場合は明確に伝える
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- 採用企業にとっての価値を強調することで、面接官に好印象を与えることができます。
- 特許取得のプロセスを活かす
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- 競合分析や特許調査など、特許出願時に関わった具体的なタスクも自己PRとして有効です。
エヌビディアが保有する特許(おまけ)
おまけですが、実際にエヌビディアではどういった特許が重要視されるのでしょうか?簡単に調べてみました。
エヌビディアは、GPU分野全体に関する特許を持っています。これらの特許は、ハードウェアだけでなくソフトウェアもカバーしています。 MaiaやAmazonのチップなど、ほとんどのチップがNvidiaの所有する特許を使用するために支払いを行う必要があります。 NvidiaはGPU分野を把握しており、Nvidiaに支払わない場合、人々はチップを開発することができません。 Nvidiaは、各チップあたり300ドルの専利料を請求し、1つのチップにつき約20の特許が使用され、1つのチップのパッシブ収入は6000ドルになります。
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