地域創生における無形資産活用のための特許分析～創造的復興のモデルケース～

2024年4月4日

2024年元日に石川県で震度７を観測した能登半島地震が発生しました。被災地では今も、国道寸断や農地損傷などインフラ被害が深刻で、早期回復が望まれています。被害に遭った方々に心よりお見舞い申し上げると共に、被災者の皆さまの平穏な日々が戻るよう、お祈り申し上げます。

金箔技術に関する特許分析レポート～伝統工芸技術の新たな用途を探る～

IPアドバイザリーは、特許分析サービスを提供しています。そのなかで、多角化や新規販路開拓のヒントを得るための特許分析サービスがあります。このたび、石川県の伝統工芸技術である金箔製造技術に着目し、この技術を他の産業で転用することができないかを調べる分析を行いました。分析した結果、たいへん興味深いデータが得られましたので、それをレポートにまとめました。このようにして、地域の産業を複数の分野で発展させることも創造的復興につながる一つの手段であると考えます。

レポートの概要を以下にまとめます。レポート全文のダウンロードは文末で行えます。ご覧いただけますと幸いです。

金箔技術に関する特許分析レポート概要

金箔を薄く延ばす技術

金箔は約400年以上続く伝統的な製法で作られています。金をおよそ10,000分の1ミリの薄さにまで打ち延ばすことで製造します。工芸品をはじとして食品や化粧品に利用されています。これら以外の産業でも金箔製造技術を利用できる機会がないか、金箔のさらなるビジネスチャンスがないかを探るために特許分析を行いました。

金箔に関する特許分析

金箔技術について複数の観点（主なプレーヤー、出願動向、注目されている技術や製品など）から特許分析を行って最新の動向をつかみました。また個別に抽出された興味深い特許について、新規開拓製品の候補として注目しました。これらをレポートにまとめ（技術のいくつかを以下に紹介します）、さらに、将来的に考えられる用途について分析者が妄想して掲載しました。

金箔技術の転用製品例

1. 可食性エレクトロニクス

金箔を使った可食性エレクトロニクスに関する特許が出願されています。金箔の持つ耐酸性や耐久性が注目されています。

2. 皮膚接触／埋め込みセンサ

金箔を使った皮膚接触／埋め込みセンサに関する特許が出願されています。こすっても剥がれにくいという特徴が注目されています。

3. スマートテキスタイル

金箔を使ったスマートテキスタイルに関する特許が出願されています。折り曲げに強く洗濯に強いという特徴が注目されています。